1.「クッキングキャビン」

 

1階の6畳、8畳の和室は、洋室のリビングに改装。天井、床の境をとり、広めの空間を確保。

 

 

 

 

 

 

←フローリングには佐久穂町の主要産出材であるカラマツを使用。標高約1100mでの冬の生活に耐えうるように設置した薪ストーブは、火力の強いカラマツを燃やせるように鉄製の機種を選択

 

大工は、若手の沖浦真朋が担当。間取り変更や断熱補強に伴う、外壁、内壁、床等の改装を担った。仕上げに、キッチン等の家具を造作。日常のヘビーユースに耐える強固な構造で、オーナー支給の家具や家電製品とのサイズやツラ合わせ、山小屋志向の空間を補強する素朴なテイストに仕上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

← (左上):シューズ収納

  (右上):洗面所間仕切り

  (右下):書斎デスク、書棚

  (左下):階段手摺兼飾り棚

 ↑ キッチンワークトップ上には、天井のセンターを通る梁を活かし、ライティングレールを組込み込んだ。

山小屋の電気設備は、小澤電業が担当。照明はオーナーの意向に基づき、設置個所の目的や雰囲気に沿った照明を取り付けた。
電気配線は、間取り変更やオーナーの目的に沿って、大幅な経路変更があったが、大工や断熱材敷設の作業の合間を縫って臨機応変に対応。長年現場を共にしてきた地元の職人の連携が施工の効率化を生む。

 

← (左)白のシャープな形状のブレーカーボックス。
(右)スイッチとコンセントプレートには、杉の壁材とマッチするよう黒のメタリック塗装プレートとした。

 

↑ 横長窓で、入浴しながら八千穂高原の森林ビューを楽しめる。

設備は、井出商店が担当。水回り設備は、主に施主支給によるタカラスタンダード社製。キッチン位置の変更、新に設置した合併浄化槽等に上下水道の配管を新たな設計し施工した。標高1100m越えの寒冷地であるため、屋外管の凍結防止システムや、室内管の防護も厳重に行った。
灯油給湯ボイラーも、風呂水についてはサーモスタットによる自動燃焼で加温循環システムを取り入れ、屋内配管での凍結を防止している。

↑ 標高1100m越のロケーションでは、冬の暖房は薪ストーブが頼りになる。カラマツは佐久穂町で最も産出量が多い樹種で、床材にも使ったが、ストーブも火力の強力な針葉樹を燃やせる鉄板製の機種を導入。
機種:PANADERO ISLA mini 販売・設置:二代目 桐原建設

↑ 合併浄化槽の設置により、洗浄機付き便器もストレスなく使える。

↑ 給湯ボイラーには、屋外設置の250ℓタンクから灯油を供給。2泊3日以上の外出は水抜きを必要とする環境のため、屋外の止水栓は、水用と温水用の2栓に集約。操作のしやすい位置、高さに設置。

↑ 上階に溜まりやすい暖気を階下に戻す対流を促す為、2階床部に通気口(上)、階段吹抜け天井部にファン(下)を設置。

屋根は、板金葺きで薪ストーブ用煙突の設置に伴い、突貫部の調整と併せて雪対策を行った。また、玄関位置を移動して入口デッキを設置したため、屋根を増設、母屋と連続する板金を葺いた。施工は新築時に屋根、雨仕舞を担当した石田板金工業。新築時に適切な工事がなされたため、リノベーションに関わらない屋根部は、修理等は不要であった。

 

 

← 煙突の突貫部調整及び降雪対策施工

before

 

after

 

 

 

← 8畳大の洋室を、ワークテーブル兼食卓を中心に配置したクッキング&ダイニングに。

 

 

← 和室8畳をカラマツ材フローリングの洋室にして、薪ストーブを設置。

 

 

← 8畳に続く和室6畳も鴨居、小壁を取り払い14畳の洋室に。

 

 

← 流しと勝手口のあったコーナーを玄関に改装。

 

 

 

← バス、トイレ、洗面所

 

 

 

← (左)吹抜け天井の玄関は、勝手口とし、デスクと書棚を設置してワーキングコーナーに。
(右)2階は、屋根裏部に納戸を増設。押入れは、オープンな収納スペースに。